大阪府堺市 楠井行政書士事務所

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2021-11-02 15:01:00

相続登記の義務化

相続手続きや相談を受ける中で、「父が亡くなって相続することになったけど、不動産の名義がすでに亡くなっている祖父のままなんです。」とか「夫が亡くなったけど、不動産の名義変えるのは大変やしそのままにしておいていい?」といった話を聞くことがあります。
今まではそんなに慌てなくてもいいですが、「放置している間に相続人が亡くなると(二次相続)、遺言書がない場合、相続人間で遺産分割協議を行う必要があり、ほとんど面識のない人と話をしなければならなくこともあります。」ので早く手続きをしておいた方がいいですよと話をしていました。相談に来られた方はいい機会なのできちっとやっておこうとなるわけですが、放置された不動産が多いことも事実です。

このような現状の中、法改正により相続登記が義務化されることになりましたので、その内容の一部を簡略化した表現でお伝えします。(法律の正しい表現と異なりますので、ご注意ください。)

1.相続登記の義務化とは(2024年施行?)

不動産登記名義人が亡くなったことにより、相続人は不動産を相続することを知った日から3年以内に相続登記をしなければなりません。
この相続登記を怠ったときは、10万円以下の過料に処せられます。

もし遺産分割協議が終わらないなど、3年以内に相続登記ができない場合、自分が相続人であることを法務局に申告。遺産分割協議が終わった日から3年以内に相続登記。

法律は施行日以降適用されることが多いのですが、この相続登記の義務は過去の相続についても適用されます
今現在、相続発生後の不動産の名義をそのままにしている方は手続きをすすめてください。
注 不動産登記は司法書士の業務になります。弊所でご紹介も可能です。

2.登記名義人の氏名・住所の変更登記の義務化(2026年施行?)

相続登記とは直接関係はありませんが、不動産を購入し登記してから引っ越してくるなどしたときに不動産の名義変更を忘れていることも多く見受けられます。
その結果、不動産の所有者がどこにいるのか見つけ出すことが困難になることもありました。

登記名義人の氏名や住所に変更があった場合、その日から2年以内に変更登記をしなければなりません。
この変更登記を怠ったときは、5万円以下の過料に処せられます。

3.土地の所有権放棄の制度化

相続において「みんな自分の家を持っているので一人暮らしの親の土地を相続しても・・・」「売ってしまいたいけど売れない」だから不動産はいらないといった話を伺うことがあります。相続放棄という制度もありますが、相続放棄した個人は一切の財産を相続できなくなるため、誰かに相続してもらうか、放置されるかということが現状です。

それが法改正により、相続人は相続したくない土地の所有権を放棄することができるようになりました。

ただし自由にできるわけではなく、法務大臣の承認が必要です。条件の一部を下記に示します。
●建物がないこと
●抵当権などがないこと
●利用や収益など他の目的に使われていないこと
●境界が明らかで争いがないこと
●土地の管理などを阻害するようなものがないこと

管理費(10年分)を納付することで、相続したくない土地は国庫に帰属します。

 

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2024.10.06 Sunday